防災頭巾カバーは、入学時に家庭で用意する定番品のひとつですね。市販品を購入される方と、手作りされる方と、二手に分かれるかと思いますが、うちは数年前に長女が入学するとき手作りしました。『防災頭巾カバー 手作り』と検索して出てくるサイトを参考に無難につくったのですが、長女が3年生になった今、是非とも共有したい情報があります。それは、通常の生地では、絶対に6年間もたないということ。もちろん手作り指南サイトの中でも、防災頭巾を入れるポケット部分に裏地をつける手順が説明されていたりしますが、擦り切れるのはそこじゃないのです。こっちです。

学校の椅子といえば、金属製のパイプに木製の座面と背もたれがついていると思いますが、この木製の背もたれ、使い古されてギザギザしているこの板端に、子どもの背中でカバーが押しつけられて、否応にもボロボロに擦り切れます。強度の観点からいうなら、厚手の裏地をつけるべきは防災頭巾を入れる「防災頭巾ポケット」ではなくて、椅子の背もたれにかぶせる「背もたれポケット」の部分なのです。
なので、今から一般的に紹介されている手順で防災頭巾カバーを作ろうとしている方は、ぜひ「背もたれポケット」の部分に、厚い厚い裏地を取りつけてください。すでに手作り防災頭巾カバーを数年使用して、うちと同様に擦り切れてしまった方には、「擦り切れた防災頭巾の補修方法」がご参考になれば幸いです。ですが最もおすすめなのは、そもそも擦り切れるたびに気軽に作り直せるほど、防災頭巾カバーをもっとずっと簡単に手作りすること。以下では「クッションカバーをふたつ縫い合わせるだけ」でできる方法をご紹介します。「あー、なるほど。もう説明読まなくてもできる」という方は、そのまま作り始めてください。それほど簡単です。
防災頭巾サイズと学校椅子サイズまとめ
まず防災頭巾カバーを作る際に気になる、防災頭巾サイズと学校の椅子の背もたれサイズについて、一般的な情報を以下にまとめます。
小学生が使う防災頭巾の一般的なサイズは、S(幼児用)、M(小学生用)、L(大人用)のうちM〜Lで、横42~46 cm、縦28~30 cm程度と言われています。これはGoogleのAI概要機能で出てくる数値ですが、実際に主要な商品のサイズ欄を確認してもこの幅におさまっています。

一方で小学校の椅子の背もたれサイズは、パイプ部分を入れた幅が40 cm前後、座面から背もたれ上部までの高さが30 cm前後。同じJIS規格でも何種類かあるようなので、これ以上正確なサイズは学校に問い合わせるか、乗り込んで実測するしかないでしょう。ちなみに私は実際、防災頭巾カバーの取り替えのために放課後の教室にお邪魔して測らせてもらいましたが、娘が座っている椅子の実寸は、ちょうど横幅が40 cm、座面から背もたれ上部までの高さが30 cmでした。これはあくまで一例ですので、分からない場合はプラスマイナス3 cmくらい覚悟した方がよさそうです。
クッションカバーを簡単リメイクする方法
考えてみれば防災頭巾カバーというのは、防災頭巾を入れる単なる袋ですね。椅子の背もたれにかぶせる部分も、単なる袋です。なのでこれ、わざわざ作らなくても何かを使えそうな・・という漠然とした予感はありましたが、この間、あ、クッションカバー!とひらめきました。クッションカバーのひとつを椅子の背もたれにはめ、もうひとつに防災頭巾を入れてふたつを縫いつなげれば・・各種サイトで紹介されている背もたれ式防災頭巾カバーそのものです。
各種ショッピングサイトでクッションカバーを探すと、防災頭巾カバーにリメイクできそうなサイズとしては、45×45 cm、50×50 cm、50×30 cm などが見つかります。どれがベストかは「椅子のサイズ」「防災頭巾のサイズ」「ファスナーの長さ」との兼ね合いで決まってくるかと思います。以下でひとつずつ見ていきます。
50x30cmで最も簡単に作る
上にまとめた防災頭巾カバーと椅子背もたれのサイズを考慮すると、最もジャストサイズに近いのは50×30 cmのクッションカバーということになります。一枚をファスナー全開にして背もたれに逆さにはめ、もう一枚に防災頭巾を入れてファスナーをしめ、二枚を縫い合わせればそれだけで防災頭巾カバーとして機能しそうです。上にファスナーがついているので、フタも必要なし。

実は最初この設計で作るつもりで、50×30 cmのクッションカバーを探していました。ですが「待てよ・・」と思ったのが、「防災頭巾にファスナーしちゃって大丈夫かな」という点です。ただでさえクッションカバーのファスナーは、目立たないように表地をかぶせて縫い込まれており、持ち手も小さめです。緊急時に大慌てでまさぐって、ちゃんと開けられるだろうか。噛んだりしたらそれこそパニックにならないだろうか・・杞憂かもしれないのですが、一度心配しはじめると、噛んだファスナーを引っ張りながら泣きべそかいて逃げ遅れている我が子のイメージが頭をはなれず、「やっぱりやめよう」となりました。
考えすぎだとお感じの方は、この案でいくこともできると思います。とにかく一番簡単です。ただ注意点は、「クッションカバーの横幅が50 cmでも、ファスナーが50 cmあるとは限らない」ということ。ファスナーが防災頭巾の横幅、および椅子の背もたれの横幅より長いことを確認してから作り始める必要がありそうです。ファスナーの質が劣悪でなく、噛みやすくないことも確認しておいてください・・
45x45cmでぴったりサイズに作る
正方形のクッションカバーを使うと、縦方向の長さが余ることになりますが、この余った部分をそのまま「フタ」にすることができます。たとえば仕上がりサイズを、縦30cm、横45cmとする場合は、以下の手順で作ります。
- 防災頭巾側のクッションカバーを裏返して、開け口から30cmのところで直線縫いし、表に返す
- 背もたれ側のクッションカバーの開け口と、防災頭巾側クッションカバーの最下部を合わせて、左右を縫い合わせる
- 背もたれ側のクッションカバーが上部に15cm余るはずなので、防災頭巾側に垂らしてマジックテープかスナップで止める

こうすると、クッションカバーをそのまま使って、フタつきの防災頭巾カバーが完成します。防災頭巾側のクッションカバーの余分な部分は、❶で直線縫いしたあと切ってもよいのですが、内側に折り込んで残しておくことをお勧めします。なぜかというと、数年経って背もたれの部分が擦り切れてきた時に、背もたれポケットと防災頭巾ポケットを逆にして使うことができるからです。❶の縫い目をほどいて、内側に折り込んでいた部分をフタにし、逆にフタにしていた部分を内側に折り込んで縫い止めれば、ひっくり返してあと数年使い続けることができるはず。この延命手段は、きっと便利です!もちろん背もたれにはめる時に、クッションカバーの内側にキルティングや古タオルなどをはさんでおけば、そもそもの耐久年数もより長くなるでしょう。
ただ、45×45 cmのクッションカバーだと、椅子の横幅に対して結構ぎりぎりです。端から端までファスナーがついているタイプでない限り、ファスナーをつけたままで椅子にはめたり防災頭巾を入れたりするのは無理でしょう。なので、基本的にはファスナーを取り外す必要があります。取り外す必要がないのは、以下の場合です。
- 折りたたむと26×26 cm程度の正方形になる防災頭巾を使用している場合
⇒ 防災頭巾側のファスナーは取り外さなくてよい - クッションカバーを椅子の背もたれにはめず、2枚のカバーの間に背もたれをはさむ場合
⇒ 背もたれ側のファスナーは取り外さなくてよい
防災頭巾の一般的なサイズは、縦42~46cm、横28~30cmと前述しましたが、中には頭から肩にかけた部分が薄いアルミ加工素材でできていて、26×26 cm程度の正方形に四つ折りできるタイプもあります。うちで幼稚園〜小学2年生の間使っていたのが、まさにそのタイプです。このタイプの場合は、ファスナーが30cm程度あれば楽に出し入れできますので、ファスナーの縫い目をほどいてまで外す必要はありません。
また、背もたれにクッションカバーをはめるのではなく、2つのクッションカバーの間に背もたれをはさむ案も存在します。この場合、前側のクッションカバーのファスナーはむしろ取り外さず、中に綿やウレタンフォームなどを詰めてファスナーを閉めれば、椅子の前面にちょうどクッションを取り付けたような恰好になります(もちろんごく薄いものに限りますが)。クッションカバーをまさにクッションカバーとして使うわけですね。この場合、背もたれに無理にはめる必要がないので、ファスナーを取り外す手間がありません。ただ、カバー背面が木製背もたれに直接当たるので、見えない部分とはいえ磨耗が防げないことになります。どちらがよいかは考え方次第かと思います。
50×50 cmで余裕をもって作る
作り方は45×45 cmと全く同様です。50×50 cmの方が横幅に余裕がありますので、ファスナーを取り外さずにそのまま使える可能性も高いですし、背もたれの部分に厚いクッション材を入れてもきつくて背もたれにはまらない心配がありません。唯一の問題としては、どうしても45×45 cmのクッションカバーの方が品数が多いのです。せっかくなので子どもの好みの色柄にしてやりたいところですが、主要なショッピングサイトを見る限り、45×45 cmのクッションカバーに比べてやや選択肢が減りますので、あとは見た目とサイズ、どちらを優先するかになるでしょう。
実際に45×45 cmのカバーで試作
ちょうど入学時にもたせた娘の防災頭巾カバーが、3年もたずして擦り切れたので、フリマで新品のクッションカバーを2枚500円で見つけ出してきて、上記のアイデアを試してみました。
45×45 cmのクッション用のカバーですが、実寸は横幅42.5 cm。実際に学校の椅子にはめてみると、かなりぎりぎりでした(逆に言うと一般的な防災頭巾カバーは横幅が47 cmはありますが、ぎりぎりを攻めるならここまでいけるということですね)。木製の背もたれにこすれると早々に擦り切れるということが実証済みなので、背もたれに接する部分には分厚い裏地をつけたいところですが、そういうわけで裏地をつけてかつ背もたれにはめるのはきつくて無理そうなので、「クッションカバーとクッションカバーの間に背もたれをはさむ」プランでいくことにしました。
ちなみにこの機会に防災頭巾も新しくしました。今まで使ってきた防災頭巾は幼稚園入園の際に園が一括購入してくれたもので、縦横26 cmと非常にコンパクト。これが少々サイズアウト気味に見えてきたのと、どうせ次女が近々幼稚園に入園するとき使うことから、ワンサイズ大きいものを新調しました。

並べて写真を撮りたかったのですが、うっかり撮り忘れて今小さい方が手元にないので、ひとまず新しいものだけ写しています。うちのカーペットが1マス40cmなので、コンパクトサイズの防災頭巾は、この半分強ということになりますね。そのくらい小さいと、クッションカバーのファスナーを外さなくても出し入れできますが、写真のものはつかえて出しにくいので、ファスナーを取り外します。そして裏返して開け口から30cmのところを直線縫いし、45×45 cmのカバーを45×30 cmに縫い縮めます。

あとはもう一枚のクッションカバーと両脇を縫い合わせるだけ。今回横幅がかなりぎりぎりなので、ミシンは使わずコの字縫いで仕上げました。それでもこの程度なら、苦にならずにあっという間に終わります。背もたれ側のクッションカバーには、擦り切れ防止のために古タオルを詰めました。最後にフタを止めるためのマジックテープかスナップをつけ、持ち運びのための取っ手を縫い付ければ、一般的な作り方で作ったものと遜色ない仕上がりになります。

上の写真が完成品です。取っ手は、通常背もたれとフタの境目に縫い閉じますが、今作では構造上それができないので、防災頭巾ポケットの両側にフックを縫いつけて、ナスカンで肩ひもがかけられるようにしました。別記事で詳しく書きますが、この方が持ち運びしやすいと思います・・
擦り切れた防災頭巾カバーの補修方法
さて、そういうわけで娘に「防災頭巾カバーを交換しよう。今使っているのは、あれ以上擦り切れないうちにほかのものにリメイクした方がいいよ」と提案したところ、「やだ!」と断られました。穴が開いても色が褪せても、私はあれがお気に入りなんだというのです。え〜、せっかく作ったのにー。
ですが、それでもさほど恨めしくないほど、新しい作り方があまりに楽チンだったので、今のものは今のもので補修することにしました。長くなったので、この補修方法については別記事でご紹介します。「入学の時はがんばって作ったけど、今さら補修のためにほどいても何をどう縫ったのか覚えていない・・」という方のご参考になったら幸いです。
クッションカバーリメイクのサイズ感と使用感
娘は新しい防災頭巾カバーの使用を拒否しましたが、古いカバーを繕う間も学校に防災頭巾を置いておく必要があります。そこでひとまず新しいカバーと取り替え、古いカバーの修繕が終わるまでしばらく使ってもらうことにしました。こちらが45×45 cmのカバーで作った試作品を椅子にはめた時の様子です。
背もたれの部分にタオル地を詰めてありますので、フカフカしていて背中を押し付けても容易に擦り切れそうにありません。その点は合格です。しかしフタの部分にまで詰めたのはやりすぎで、しばらくこの状態で使った娘いわく、フタがモコモコしていて少々邪魔だったそうです。裏地は背もたれ部分にだけつけて、フタ部分はペラペラにした方がよいでしょう。
ちなみに50×30 cmのカバーを学校の椅子にはめると、こんなサイズ感になります。
こちらはTemuで見つけたクッションカバーなのですが、あまりの可愛さに娘が惚れ込み、「擦り切れちゃうなんて絶対にいやだ。防災頭巾カバーにだけはしないで」というので、後ほどレッスンバッグにリメイクしました。上の写真は、サイズ感の確認のため椅子にはめてみただけです。横幅50 cmというと、一般的な防災頭巾カバーのサイズよりやや大きめですが、見た感じ問題はなさそうでした。ただ、片方を逆さにして縫い合わせる都合上、このカバーのように柄にはっきり上下があるものは少々まずいですね。どちらかの面で必ずうさぎが逆さになっちゃいますから。
「手間多くして短寿命」から「手間なし長寿命」へ
というわけで、クッションカバーリメイクの防災頭巾カバーが問題なく機能することは確認できました。使用期間は数週間なのではっきりしたことは言えませんが、「背もたれにこすりつけられて擦り切れる」という最大の問題点に対処したので、耐久性も高いはず。なにより、本当に作るのが楽です!横を直線縫い1箇所、あとは両脇を縫い合わせるだけ!「防災頭巾カバーの作り方」のサイトを上へ下へとスクロールしながら四苦八苦した3年前に比べて、はるかに短時間で仕上がりました。これは本当におすすめです。
もっとも、一般的に紹介されている作り方がそんなに複雑怪奇というわけではありません。ほとんど一枚布を袋状にするだけ、なのですが、そこにフタと取っ手をつけ、裏地をつけ、それより先に位置をはかってマジックテープを縫いつけ・・と人の書いた手順を一から追いかけていると、なんだかとても難しいような気がしてしまうのですね。「袋を2枚、縫い合わせればよいだけ」という基本に立ち帰ると、とても話が簡単になります。今から防災頭巾カバーを用意する方、手頃な袋を2枚探してみてください。片方に防災頭巾が入って、片方に椅子の背もたれが入れば、それでオッケーなはずです。




