レギンスを水筒カバーにリメイクする

水筒カバー 服飾・学用品

子どもにもたせる水筒には、カバーが必須です。子どもの水筒の取り扱いたるや、カバーをつけていても目を覆いたくなるほど雑なので、カバーなしでは一日で水筒が傷だらけになってしまうでしょう。けれど水筒は長さも太さも物によってまちまちなので、なかなかぴったりの既製品を見つけるのは難しいですね。我が家でも結局、作るしかなかったので作りました。

水筒カバーの作り方は、さまざまなサイトやYouTube動画で紹介されていますが、私が参考にしたのは、けーことんさんの「ダイソーのウレタンで水筒カバー」というものです。水筒の大きさに応じた寸法の計算式も紹介されていて、助かりました。

さらに私がやってみておすすめなのは、表地として古くなったレギンスを使うというものです。水筒の太さとレギンスの太さがうまく合えば、すっぽり水筒に「履かせる」だけで簡単にできますし、レギンスは伸びのよい素材でできているので、ぴたっとはまって逆さにしても水筒が落ちにくいカバーになります。しっかり素材のレギンスパンツなら、ハードな動きをしても容易に破けないほどの強度があるので、水筒カバーとしても丈夫です。

  • 製作費用:110円
  • 所要時間:数時間

生地を新しく買う必要がないので、お財布にもやさしいお気軽リメイクです。うちでは無地のレギンスを使って飾りにワッペンをつけましたが、子供用のレギンスは花柄や星柄などカラフルなものも多いので、お洒落なカバーがいろいろ作れそうですね。

100均のウレタンで裏地をつくる

製作費用の110円は、裏地として使ったウレタンフォームです。数年前に最初の水筒カバーを作った時は、ダイソーで柔らかなウレタン製のクッションケースが売っていたのでそれを使ったのですが、最近大きい水筒を買い直したので再度作ろうと思った時には、同じ商品が見当たらなかったため、キャンドゥで見つけた1.5Lペットボトル用のボトルカバーを使いました。

水筒カバー - 裏地素材

ちなみに、半径7cmを超える太いボトル用のカバーとしては、これが100円ショップで見つけた唯一の商品です。うちの水筒には太すぎたので、解体して素材として使いましたが、直径9cmの水筒をお持ちの方だったらそのまま使えるかもしれません。

裏地になる素材を手に入れたら、横幅を「水筒の一番太い部分の円周+3.5cm」、縦幅を「水筒カバーの長さ+水筒の半径+2cm」に切ります。ここは、けーことんさんの動画で紹介されていた計算式を、ほとんどそのまま使いました。縦幅が1cm少ないのは、水筒カバーの上部で表地と中表に縫い合わせて折り返す工程がないためです。動画ではこのあと表地と裏地を縫い合わせますが、私はレギンスの足首部分をそのまま使う方針だったので、先に裏地の側面と底面を縫い合わせてマチもつくり、裏地だけ完成させてしまいました。

水筒カバー - 裏地の裁断

レギンスで表地をつくる

表地には、娘が履いていた無印の100サイズのレギンスパンツを使いました。このレギパンの足首付近の太さが、幼稚園のころ使っていた直径7cmの水筒にぴったりだったので、長さを裏地と同様に「水筒カバーの長さ+水筒の半径+2cm」にジョキリと切り、底面を縫い合わせてマチを作ったらほぼ完成です。

水筒カバー - 表地の裁断

大人用の水筒カバーでしたら、裏地なしでこのまま使うこともできると思います。そうすると、縫うのは底面とマチ部分だけなので、本当に簡単ですね。ただ、子どもは容赦なく水筒を振り回すし落っことすので、やはりクッション材がついていないと水筒を守りきれません。そういうわけで、前述したウレタンフォームの裏地をつけます。

そうなると、裏地のウレタンは切りっぱなし、表地のレギンスは足首部分で三つ折りにして縫われているので、きれいに仕上げようと思ったら、結局レギンスの足首部分の縫製を一度解いて、ウレタンフォームを三つ折り部分に入れ込んで縫い直すことになります。少々面倒ですが、折り目がすでについているのでアイロンの手間はありませんし、「本当に一度ほどいたのだっけ?」と後になって自分でも思い出せないくらいきれいに仕上がります。

水筒カバー - 上端の仕上がり

ちなみにこの「足首部分をそのまま使う」リメイクが可能なのは、レギンスの太さと水筒の太さがたまたまほぼ同じで、かつ水筒が比較的短い場合に限られます。レギンスはどうしても、太ももに近づくほど太くできていますので、長い水筒のカバーにしようとすると、上と下で太さが違くなってしまい、ピタリとはまりません。娘が幼稚園のころ使っていた水筒のカバーサイズは、直径7cm、長さがわずか8.5cmだったので足首ジョキリでうまくいきましたが、小学校に入ってから買い直した水筒は、直径8cm、長さが16cmで、これだと足首部分を使うにはキツキツ、太もも部分を使うとブカブカで、そのままリメイクは無理だったので、レギンスを切り開いて単なる布として使いました。この場合は、布端が三つ折りになっていないので、裁断のとき縦幅に縫い代分を足す必要があります。

肩紐を通すタブ:苦肉の素材3種類

私は頭が悪いのか、表地と裏地を中表にして返し口をつくって縫い合わせていく・・という工程が苦手です。頭の中で裏返した時のイメージができなくて、自分がどこをどう縫っているのか分からなくなってしまうもので・・そういうわけで表地と裏地を別々に完成させて最後に縫い合わせるやり方は、自分の中でわかりやすくてストレスフリーだったのですが、最後に縫い合わせる段になって、少々厄介なことに気がつきました。レギンスの足首部分をそのまま使う場合、布端がただでさえ三つ折りになっているのに、そこにウレタンフォームを挟み、さらに肩紐をつけるためのタブを縫い込む(しかもタブの切り口を三つ折りの中に隠そうと思ったら、一度下から差し込んでから上に向かって折り返さなければならない)ことになります。つまり、表地3枚分、裏地1枚分、タブにする生地4枚分、合計8枚分を重ね縫いすることになり、かなりの厚みになってしまうのです。

肩紐を支えるタブは一番負荷のかかる部分ですから、PPテープなどしっかりした素材を使うのがベストかと思いますが、そういうわけでなるべく薄手の生地を選択しなければならなかったので、うちでは経年劣化による付け替えもふくめて以下の3種類の素材を試しました。

  • ラッピング用のリボン
  • 本革のリボン
  • 割烹着の紐

最初に小さい方の水筒のカバーを作った時に使ったのが、ラッピング用のリボンです。はい、プレゼントを包装紙で包んだ後にかけるリボンです。これはいくらなんでも、強度が弱すぎてすぐ切れてしまうだろうと自分でも思ったのですが、そのくらい薄い素材でないとどうしてもミシンを通りそうになかったので、とりあえず目についたリボンを縫い込んで完成させました。思ったよりは長持ちして、たしか半年ほど使えていたと思います。

けれど最後はやはり擦り切れて、繊維の塊のような状態になったので、取り除いて本革のリボンに付け替えました。これは帽子のリボン用に買って余っていたもので、ラッピング用のリボンよりましとは言え、やはり細くて薄いので、ちぎれるのは時間の問題かと思われましたが、なんだかんだで卒園するまで2年近くがんばってくれました。

水筒カバー - 古いタブの劣化

写真は、おつとめを果たした古い水筒カバーのタブです。縫い目から上の部分だけ、上に引っ張られ続けてボロボロに細く伸びています。娘の水筒は300mlの小さいものだったので、なんとか持ちこたえましたが、やはりタブはしっかりした素材でないとダメですね。そのためにはやはり、水筒の上部で表地と裏地を中表にして、タブをはさんだ状態で縫い合わせるのが一番かと思われます。

そこまでわかっていたので、2つ目の水筒カバーを作る時にはそうしようと思っていたのですが、うっかり裏地のウレタンフォームを短めに切ってしまい、縫い代分の長さがなくなってしまったので、結局二代目の水筒カバーも、裏地と表地を別々に完成させて、最後に上部で表地を三つ折りにして縫い合わせました。タブは、前作の経験からやはりリボンではダメだということで、古くなった割烹着の紐を再利用しました。しっかりした木綿地でできた分厚い紐なのに縫い込めたのは、輪っかにして2枚重ねるのではなく、斜めに折り返して縫い位置をずらせば、厚みが半分で済むことに気がついたからです。ミシンの限界すれすれでしたが、なんとか縫えました。

水筒カバー - 新しいタブの縫い込み

紐の切り口を三つ折りの中に入れるときも、Wの形に斜めに折り返して厚みを減らしています。さらに補強のために、タブの上の部分だけもう一度ミシンをかけました。これで、リボンよりはだいぶ丈夫な仕上がりになりました。まだ作って数ヶ月なので、この先どれだけもつか分かりませんが・・少なくとも2年という前作の長寿記録は更新される見込みです。

使用感と耐久性

小さい方の水筒カバーは、幼稚園年少の中頃から卒園まで2年半使い通しましたが、よく水筒を守り抜いてくれました。振り回してぶつけた、落とした等々、日常茶飯事でしたが、カバーから抜け落ちたことはなく、本体は無傷でした。小学校に入ってから買った大きい方の水筒は、購入後2週間で娘が早速落っことし、水筒上部のコップが欠けてしまいましたが・・コップにまではカバーがついていなかったので仕方ないですね。本体は無事だったので、パテで欠けた部分を補修して使わせています。

タブの部分は、最初の水筒カバーでは薄い素材を使ったために、半年〜2年でダメになりました。タブはやはりなるべく丈夫な素材がおすすめです。そのためには、やはり上部で表地が三つ折りになっていると、タブを取り付けるとき厚みが増して厳しいので、他の方々がやっているように、表地と裏地を中表にしてタブを挟み込んで縫い合わせるのが最善かと思われます。

ただ、表地と裏地を別々に完成させて最後に上部で縫い合わせると、あとで「タブだけ切れた」「裏地が劣化した」という場合に、ほどいて作り直しやすいというメリットはあります。もちろん表地と裏地を中表に縫い合わせた場合も、返し口の位置を覚えていれば、そこをほどいて裏返せばよいだけですが・・見えている上部の縫い目さえほどけば表地と裏地に分解できるという方が、個人的には心安いです。実際、小さい方の水筒カバーは、たび重なる洗濯で裏地がよれてきたので、いずれ下の子がこの水筒を使うようになったら、裏地とタブを付け替えようかと検討中です。

まとめるとこんな感じです。

  • 水筒カバーの表地には、伸びがよくて丈夫なレギンス・レギパンの再利用がおすすめ
  • 表地と裏地を上端で中表に縫い合わせてから脇に返し口を作った方が構造上スマートだが、別々に完成させてから上端で表地を三つ折りして縫い合わせることもできる
  • 肩紐を取り付けるためのタブは、厚みがゆるす範囲で丈夫なものを

よく履いて思い出の詰まったレギンスなら、水筒カバーとして残せるのも嬉しいですね。右足と左足の生地で、兄弟仲良くおそろいのカバーもできます。ただしヘビーユースしたレギンスは、膝のあたりが擦り切れて薄くなっていることが多いので、よく確かめてダメージの少ない部位を使いましょう。

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