中古のままごとキッチンって、ありなのかな?・・という疑念をお持ちの方、いるのではないでしょうか。自分の子どもによその子の使ったおもちゃを与えること自体、絶対ナシと思われる方は悩む余地がなくてよいですが、おままごとキッチンのような大物はそれなりに値が張りますので、新品には手を出しがたく中古を視野に入れる方も一定数いらっしゃると思います。ただ、
「ボロボロで子どもががっかりするのでは・・」
「リメイクした方がむしろお金がかさむのでは・・」
「リメイクしようとしてもうまくできなかったら・・」
という不安もまた少なからずあると思います。うちもまさに、中古キッチンを手に入れてリメイクした組なので、その費用対効果についてご紹介します。
リメイクの必要作業と購入品
まずうちの特殊事情として、本体は無料で手に入りました。ネットのフリマで中古品を購入したのですが、輸送中の事故で数箇所破損し、補償がおりて取引金額が返金されたのです。思いがけずタダで手に入ったのでむしろ嬉しかったくらいですが、リメイク作業として破損箇所の修復が追加されました。
幸い破損は大規模なものではなく、部分的にパテを詰めればなんとかなりそうでした。ただそもそも全面をリペイントする予定で入手したので、ペイントのしやすさとメンテナンスのため、一度完全に解体しました。リメイクの全工程は以下のようになります。
・組み上がった状態で届いた品を一度ばらばらに解体する
・破損箇所を確認し修復する
・全パーツをペイントする
・もう一度元どおりに組み立てる
これはかなり大がかりな作業でした。リメイクの方針によっては、必ずしもここまで全面的に解体しなくてもよいかもしれません。ただ、ローラーで隅々まできれいに塗ろうと思うと、やはり一枚板の状態の方がやりやすいのは確かです。板端まできれいに拭けるので、中古の衛生面が気になる場合にも有効です。
- 製作費用:4,930円
- 所要時間:1ヶ月
本体価格は実質ゼロだったので、製作費用は純粋にリメイクに要した金額です。大部分はペンキ代で、あとは破損箇所の修復に使うパテややすり、ペイントに使うハケやローラーなどを買いました。細かい内訳は、この記事の最後にまとめてあります。
誰のためのリメイクか?
前述の通り、最初に届いた時には、前に使っていた子の貼ったシールの剥がし跡が各所にあり、輸送中に角は欠け、引き出しにはひびが入った状態でした。とはいえ正直に言うと、当時3歳の娘はそんなことあまり気にしていませんでした。自分のキッチンが手に入ったということがとにかく嬉しかったらしく、なにも頓着せずその状態でせっせと遊んでいました。
マイキッチンを買ってもらうというのは、そのくらい子どもにとってスペシャルな体験なのでしょう。だから「こんなんじゃ子どもががっかりするんじゃないか」と無闇にハードルを上げなくてもよい気がします。だってキッチンはキッチンですもの!
ただ、リメイクすることでさらに親子にとって愛着のわく一品になるということ、ままごとキッチンの見栄えがよいと部屋全体の雰囲気が向上することから、余裕があったら中古品にはひと手間かけたらよいかと思います。そんな余裕がなくて使い古しのまま子どもに与えてしまったとしても、過度の罪悪感を抱く必要はありません!おもちゃの見栄えに関わる部分というのは、たいてい親の自己満足です。子どもは(年齢にもよりますが)さほど気にしません。
解体しながら図面と作業表をつくる
リメイク作業において最も娘の心を捉えたのは、既存のキッチンを解体する際に、あとで元通りに組み立てられるように私が書いた図面のようでした。「どこに、どんなねじがはまっていたか、覚えておかなくては駄目だよ。全部の部品に番号をふるからね」という私の言葉に、何かすごいことが始まっているらしいという意識をもった3歳の娘は、非常に熱心な助手として活躍しました。「3番の板からはずしたねじの数と種類を確かめてくれる?」「おっけー!えっと3番板のねじはねー、4本!2番のねじと同じかな。あ!長さちがう。じゃあこれ新しいねじだ。番号ふらなきゃ!」という具合です。もちろんママが片目ですべて確認しながらの声かけだったのですが、こういう具合でしたので、本人はリメイク作業班の重要なメンバーとして自負に満ちていました。

フリーハンドの適当なものではありますが、上のような図面を書いて板番号とねじ番号を書き入れ、外したねじは種類ごとに数を確認して袋に入れました。そしてどのパーツを何色に塗るか、着色以外にどんな作業が必要か確認して、下のような「作業表」を作りました。これも非常に子どもの心を捉えたようで、自分で書くと言って一生懸命ぐにゃぐにゃの表を書き上げ、ママの仕事ぶりをチェックしては進捗を書き入れていました。

塗り替えに失敗しないための一手間
リメイクの主な作業は色の塗り替えだったわけですが、ペンキ選びにはかなり迷いました。というのは、元が上質な天然木ではなく化粧板なので、表面がツルツルしているのです。この上にただペンキを塗っては、数週間で剥がれることになりかねないという予感がして、いろいろ調べた結果、ミッチャクロンというプライマーを下塗りすることにしました。これを塗っておくと、塗料の付着性が高まって剥がれにくくなります。コストも2倍、塗る手間も2倍になりますが、子どもが毎日のようにままごと道具を出し入れするキッチンには、一にも二にも耐久性が大事と思い、ここははしょらず一手間かけました。
ペンキには、PROSTという会社のファインペイントシリコンという水性塗料を使用しました。高耐性で防藻・防カビ効果をもち、ライトカラー21色、ビビットカラー13色、ディープカラー10色という豊富なラインナップ、つや消し・つや有りも選べて、かつ10mlのサンプルを安価に購入できるので、とてもおすすめです。うちも、メインカラーをホワイトクリームにするかピュアホワイトにするか迷ったので、事前にサンプルを送ってもらって試し塗りしました。最終的に選んだのは、つや消しピュアホワイトです。棚と天板にはつや有りブラックを使いました。
作業手順と仕上がり
作業手順としては、まず全てをばらばらの板に分解してから、
- 破損箇所に補修用パテを詰める
- 乾いてからヤスリがけして形を整える
- ハケでミッチャクロンを下塗り
- 乾いてからローラーでペンキを塗布
- 乾いてからローラーでペンキを二度塗り
- 蛇口、コンロ、つまみなどの部品はスプレーで着色
ここまで済んでから、最後にまたすべてを組み立てました。残念ながら作業中の写真がほとんど残っていないのですが、とりあえず完成形はこのような感じです。

基調は白にし、上の棚と天板のみ黒、蛇口やコンロなどの部品は金色にしました。背面が白板一枚だと少し物足りない感じがしたので、下の部分にキャンドゥで購入したタイル柄のクッションシートを貼って軽くアクセントにしています。ちなみに上の棚に飾ってあるのは、セリアで売られている本物の食器、鍋はアメリカで97%オフというとんでもない大特価で買った、これも本物の銅製ミニ鍋です。

また、引き出しにもともとついていた取っ手は、セリアで購入した引き出し用つまみと取り替えました。これは実は、この部分をカチャカチャ回せるコンロのつまみにしたいという娘の要望があったからで、コンロが3口なので、引き出しの真ん中に穴を開けてつまみをもうひとつ取り付けてやろうと思っていたのです。ところが、後回しにしているうちに他の部分が仕上がり、そうなってみるともう面倒でなかなか着手せず、結局コンロのつまみは2つのまま数年経ってしまいました。すまん娘よ・・
欠けたりひびが入ったりした破損箇所に関しては、ダイソーで購入した補修用パテ1本で、わからないほど完璧にとはいきませんでしたが、遠目に目立たない程度には修復できました。
心配していたペンキ剥げですが、数年間ガチャガチャと銅製の鍋をぶつけまくり、木製の野菜をぶつけまくっても、ほとんど剥げませんでした。天板の縁だけ少しやられましたが、これだけヘビーユースしてこの程度なら上々かと思われます。ただ、戸棚の内側は、剥げるというより物の出し入れによる摩擦で少々黒ずみました。また扉の蝶番の金具が錆びついていて、酢に漬け込んでも磨いてもどうしても落としきれなかったので、開け閉めするたびにさびの粉が落ちて、蝶番の下が黒く汚れがちです。これは中古ならではのデメリットと言えるでしょう。まあ許容範囲かと思っています。
下の表は、リメイクのために購入した品の一覧です(価格は数年前のものです)。ペンキ以外はどれも数百円で調達できました。金色スプレーは質の良いものをと思ってホームセンターで購入したのですが、その後別の工作のために購入した100円ショップの品と比べて大差なかったように思います。ひょっとしたらペンキも、もっと安価なもので支障なかったかもしれません。ただ今回は、ままごとキッチン本体のコストが浮いたので(元の取引金額は5,000円でした)、その分のお金はリメイク代に費やそうと思ってできるだけ良いものを選びました。
| ミッチャクロン 1L | 1,500円 |
| 白色ペンキ 1kg | 1,470円 |
| 黒色ペンキ 100g | 380円 |
| 金色スプレー 100ml | 620円 |
| ハケ | 320円 |
| ペイントローラー | 110円 |
| ペイントローラー取替え用 | 110円 |
| 破損修復用パテ | 110円 |
| やすり | 90円 |
| タイル柄リメイクシート | 110円 |
| 引き出し用つまみ | 220円 |
| 総額 | 4,930円 |
数年使用後の感想と評価
数年の使用を経てあらためて「中古ままごとキッチンってあり?」という問いに戻ると、少なくとも一個人の経験としては「あり」でした。中古と新品の主なちがいである表面の傷汚れは、消毒とリペイントで対応可能です。ただ金具の錆びつきなど、リペイントだけでは対処しにくい劣化もありますので、新品と全く同様であるとは言えません。また、表面にツルツルのコーティングがしてあるタイプの既製品に比べると、ペンキ塗りっぱなしの表面はメンテナンス面で劣るなとも思いました。さっとクイックルシートで埃をとろうとした時に、ざらざらしているので取り残しが気になります。上にニスなど塗ればまたちがったのかもしれませんが、これはやってみないと分かりません。
コスト面ですが、リメイクにかかった費用がおよそ5,000円、不慮の破損事故がなければ中古のキッチン本体が5,000円でしたので、総額1万円。その1万円で新品のおままごとキッチンを買うことも十分可能だと思います。解体と色塗りには結構な労力を費やしたので、リメイクの方が断然良いとまでは言いません。ただ、リメイクの大きなメリットをあげるならば、ありがちなテイストに縛られず自分好みの外観にできるということ、そして子どもに物を作り上げる楽しみを与えられるということです。子どもは「ひみつの◯◯作戦」みたいなものが大好きですね。この「キッチンリメイク大作戦」は、3歳の娘の心に大きなインパクトを残した気がします。6歳になる今でも解体・組み立てが大好きで、自分でもさまざまな作品をつくりますし、一時期は何をつくるにも「せっけいず」をなかなかそれっぽく書いていたのには感動しました。板を切り出して完全ハンドメイドのキッチンを作ってやるのはハードルが高いですが、リメイクだけでも子どもにとってはきっと良い経験だと思います。
追記
上記の記事は、長女が3歳から6歳までままごとキッチンで遊ぶのを見届けた上で書いたのですが、その後1歳になった次女が同じキッチンで遊び始めてから気づいたことがあります。それは「おもちゃの耐久年数は、ひとえに使用者の年齢次第」ということです。長女も決しておしとやかな子ではありませんでしたが、それでも3歳児が遊ぶのと1歳児が遊ぶのでは、おもちゃの痛み具合が全くちがいます!3年間遊んでほとんど剥げなかったペンキが、次女が使い出して数ヶ月であっという間に剝げはじめました。キッチンの扉も蝶番がゆるんで、ガタガタするようになりました。これは、新品を買っても同じ運命だったのではないかと思います。つまり「小さい子に使わせたらままごとキッチンの寿命は数年」。お子さんが複数人おいでの方は、リメイクを敢行するにあたってその点を覚悟しなければならないかと。もっとも、他人が使って古びたものと、我が子が使って古びたものはやはりちがいます。塗装が剥げているのも扉ががたついているのも、たくさん遊んで思い出が染み付いた証拠、と思えばそのままでもよいかもしれませんね。うちも次女のために「リメイクのリメイク」に着手するかどうかは、今のところ未定です。





