子どもの計算能力がぐんぐん高まる、トランプの「倍数ゲーム」

ゲーム

今回は、我が家で思いついた新種のトランプゲームをご紹介します。計算ドリルを嫌がってぶつぶつブーブーやりたがらないお子さんも、気づけば夢中になって暗算を繰り返すこと間違いなし。否が応にも計算能力が高まる上に、終わるともう一度やりたくなる、中毒性のある楽しいゲームです。

基本の遊び方

最初に、2枚のジョーカーを含めた全54枚の札を、6枚ずつ9組に分けて並べます。とりあえずジョーカー抜きでシンプルなプレイにしたかったら、5枚の組が2つできても構いません。次に、各々好きな1組を選んで手元に持ちます。ここでゲームスタート。手持ちの札の中から、「足すと12の倍数になる札の組み合わせ」を選んで、場の中央に出していきます。たとえばQなら1枚で出せますし、6を2枚とか、8と4とか、2と3と7とか、いろいろな組み合わせが可能ですね。Kは12を超えてしまいますが、K+Jなら24として出すことができます。手持ちの札でそれ以上出しようがなくなったら、最初に並べた6枚組の中から、また好きなものを選んで手札に加えます。

最終的には、手元に残った札の総和が、12の倍数(または0)に一番近い人が勝ち。すっかり出しきって手札なしの状態が一番強いですが、たくさん札が残ってしまったように見えても、足して11や13、23や25だったら、12の倍数との差が1なので、かなり強いことになります。

基本はこれだけです。ある程度札を出しきって、「ここでおしまい」と決めたら、まだ追加できる札の山が残っていても、そこでやめにして構いません。手札を公開して「これで勝負」と宣言します。なので、どこかのタイミングできれいに札を使い切ったら、そこでゲームを離脱するのが一番賢いですね。下でご紹介するルール②がない場合は、ですが。以下では、もう少しゲームを面白くするための発展ルールを3種類ご紹介します。

発展ルール① Qを出したら特典がつく

ゲームを面白くする発展ルールその①は、「Qを出したら必ず別の人から札を1枚もらう」というものです。運良く札をきれいに使い切って、あとはQを1枚出すばかり!となっても、このルールがあるとあがりになりません。逆にQとAが手元に残っている場合、Qを出してJをもらうことができれば、J+Aで12になるので、1枚残らず出すことができます。ただし、Jをもらえる保証はありません。誰もJを持っていなくて、他の札をもらわなければならなくなると、むしろ勝ちから遠ざかります。

発展ルール② 6を使ってドンデン返し

一人が札を使い切ってゲーム離脱してしまうと、残されたプレイヤーは勝つ見込みも続ける意欲も失ってしまいます。発展ルール②はそんな場合に、残されたプレイヤーにチャンスを与え、札を使い切っても安心できない状況をつくるものです。「6の札は、好きな時に好きな人にあげてよい」。これがあると、札を使い切って1位確定かと思われた人が、6を押しつけられて一気にドンビリという展開になります。手札を1組追加して巻き返しを図ることもできますが、使える手札の山がひとつも残っていないとビリ確定。大逆転です。むしろ6をあげることで、相手に有利に働くこともありますから、差し出す方もタイミングをよく考えなくてはなりません。ただの運まかせではない駆け引きの要素が加わり、勝負が少し面白くなります。

発展ルール③ ジョーカーで掛け算練習

ジョーカーの使い方はいろいろ考えられますが、小学2年生以上なら「ジョーカーは掛け算記号」というルールが一番面白いかと思います。たとえば6と4は、そのまま足すと10ですから出せませんが、6と4にジョーカーを加えると、「6×4」つまり24として出せる、というものです。うちの子はまだ九九が完全ではなく、平気で「はっぱ・・58!」なんて言い出すので、このルールは九九の定着に最適。ジョーカーを5、6枚に増やしたいくらいです。

オススメしたい理由

このゲームを最初に思いついた時は、真ん中にすべての札を裏返しにして置き、一人一枚ずつ札を引いて、12の倍数が出来しだい出していくという形でした。しかしこれだと、だんだん自分が12をつくることに熱中して、相手の番も待たずに次々札を足しては出していき、いつが終わりで何が勝負どころかも分からないという具合になるので、少しゲームとしての形式を整えるために上に書いたような形にしました。でもそのくらい、「12の倍数をつくる」というだけでなぜか面白いのです。個人的にはこのゲーム、冷蔵庫にある食材を足さず余さず使って数日分の夕飯を作るには、どんな献立にしたらよいか考える時と、同じ頭の使い方をしています。札をうまく使いきると、土曜の朝に冷蔵庫が見事にからっぽになった時のような気分、使えない札が残ってしまうと、野菜室の奥にしなびた大根を1本余らせてしまったような気分になります。娘が同じように感じているとは考えにくいですが、ひと勝負終わるとどちらともなく「・・もう一回やる?」「うん、やろう」となるところを見ると、何らかの中毒性があるのは確かでしょう。

それでいて、やっている計算はかなり総合的で教育的だと思います。5と3の札があるから、5+3=8、これが12になるには、12-8=4で・・と、足し算引き算入り乱れた暗算をすることになり、うまく12にならないと、24ならいけるか、ダメなら36でどうだ・・とどんどん数の大きい足し算に発展します。倍数という概念に慣れる契機にもなりますし、最後は持ち札の総和がどの倍数に一番近いか考え、その数と総和の差分の絶対値をとるという、なかなかレベルの高いことをして自分の順位を割り出すことになります。こんなこと、ほかの時なら絶対に子どもが喜んでやることではありません。ところが、普段は計算に苦手意識があって、宿題でポカミスばかりする娘が、「Kと8と9が3枚・・13+8+9+9+9で48!どうだ!」なんて、5枚の札をピシッと出してくるのですから驚きです。なんだい、やればできるんじゃんか。遊びの要素さえあれば、子どもの能力は限界知らず。楽しみを与えて、伸ばしてやりましょう。お手持ちのトランプひとつでできる「12の倍数ゲーム」、オススメです。もちろんもっと純粋に、トランプの新しい遊び方をお探しの方も是非どうぞ。

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