このミニランドセル自体は、手作りではありません。卒入学のこの季節、子どもへのプチギフトとして焼き菓子を詰めて売られているものです。洋菓子店などで見かけますし、通販でも何種類か出ています。例えばこのようなものです。
うちは、長女の入学のちょうど1年前に、あるベーカリーのクーポンでこのお菓子入りミニランドセルを手に入れました。そのころ娘は「学校ごっこ」が大好きで、人形やぬいぐるみたちをローテーブルの前に座らせては文具を並べて授業をしていたので、このミニランドセルをあげたら、それこそ毎日ぬいぐるみに背負わせて遊ぶだろうと思い描いていたものです。ところがしばらくしまっておいて、もう少し入学がせまるのを待ってからプレゼントしたところ、意外なことに娘は机の上に飾っておくだけで、ほとんど遊びには使いませんでした。わずかの間に大人びて、もうごっこ遊びなんか興味ないわと言わんばかりに、小学校中学年か高学年が読みそうなライトノーベルを読みふけっているのです。娘の急成長に愕然・・もっとママと遊ぼうよー。
とはいえ、ミニランドセルの方にも問題がありました。そもそも飾りとして作られているので、肩ベルトが短すぎてぬいぐるみの腕が通らないのです。我が家のものは特に、ベルトが写真のように上向きに接着されていたので大きく開かず、一番スリムなぬいぐるみでも腕が後ろに引っ張られてうまく背負えませんでした。惜しい。せっかくだから誰かに背負わせたい。というわけで、「本当に背負える」ランドセルに改造することにしました。
肩ベルトの付け替え
改造といっても非常に簡単で、肩ベルトを付け替えただけです。元の肩ベルトは接着剤でしっかりつけられていたので、下の部分はやむなく引き剝がしましたが、上の部分はその強度を生かして残すことにしました。接着部分より少し先で切り取り、新しいベルトを通す輪にします。そこに、セリアで買ってきた平ゴムを通し、下の部分はランドセルの背中に直接縫い付けて、上から元の肩ベルトの残りを貼りました。
完成形がこちらです。ゴムは長めにとり、真ん中で縛って長さ調整できるようにしました。
- 製作費用:410円
- 所要時間:2日
ミニランドセル自体は、うちの場合クーポンで実質無料だったので費用に入れていませんが、普通に購入すると1,000〜2,000円程度かかります。所要時間は、2箇所の接着部分をそれぞれ一晩かけて乾かしたので2日と書きましたが、実際の作業は接着と数針の縫い付けだけなので、数十分たらずでした。
盲点だったのは、フェルトとフェルトの接着が恐ろしく手強かったことです。私はこれまで何を接着するにも木工用多用途ボンド一筋でなんとかしてきたのですが、まったくくっつく気配がなかったので、とうとう降参して手芸用接着剤「裁ほう上手」を買いました。フェルト専用の接着剤もあるようなので迷いましたが、「裁ほう上手」でもちゃんとつきました。製作費用は、この裁ほう上手と平ゴムの値段です。
ぬいぐるみに合わせてサイズ調整
とうとうぬいぐるみたちも、ランドセルを背負うことができました。写真のクマは身長36cmですが、このくらいのぬいぐるみが、サイズとしてはちょうどよい感じです。それ以外のぬいぐるみでも、ゴム紐をジャストサイズに調整して縛ってやることで、大体うまくフィットしました。
メルちゃん人形にはちょっと大きい
この人形は身長26cmで、メルちゃんと同サイズですが、この子にはさすがにちょっと大きいですね。教科書をつめてお勉強しに行くというよりは、林間学校に行くみたいです。それでも一応、背負うには背負えます。
メルちゃんサイズのお人形や小さめのぬいぐるみをメインに遊んでいる子なら、もっと小さいランドセルの方がよいかもしれません。ただ、このサイズのランドセルのメリットは、A7サイズのノートがぴったり入ることです。うちはランドセルの色と娘の趣味を鑑みて、ダイソーのA7ノートをセレクトしましたが、セリアでは一時期レトロなデザインで本物そっくりの文具シリーズが売られていましたね。ああいうのを入れたら、もうなんともリアルな学校ごっこができそうです。
ベストフィットは本物の赤ちゃん
とはいえ、長女はすでに学校ごっこに興味を失っているようだったので、ママの本当の目論見は違うところにありました。
下の子に背負わせようと思い立ったのです。ぴったり。本人、背中に何がくっついていようが全くお構いなく遊んでましたが、可愛い後ろ姿が堪能できました。ゴムでぴたっとフィットするので、もぞもぞ動いてもずり落ちず、背負わせっぱなしにできます(ただし仰向けになると潰れます)。
うちの次女はまだ生後8ヶ月ですが、トコトコ歩く年頃の子がお兄ちゃんお姉ちゃんとおそろいのランドセルを背負って一緒に歩いたら、それもどんなに可愛かろうと思います。ちゃんとした赤ちゃん用ランドセルというのもあるようですが、それなりにお値が張るので、ちょっと可愛い姿を楽しむだけなら、このくらいがお手軽ではないでしょうか。サイズとしては、生後8ヶ月の子にもちょっと小さいくらいですが、ゴム紐のおかげで背負うだけならどんなに大きい子でも背負えます。うちの6歳の長女も面白がって自分が背負っていましたが、問題なく背負えていました。
そういうわけで、肩ベルトをゴムに付け替えることにより、ぬいぐるみ、お人形、赤ちゃん、誰でも背負える万能ランドセルになりました。ベルトの形状は同じミニランドセルでも商品によって異なるので、それぞれの形に応じた作業が必要かと思いますが、ミニランドセルの肩ベルト付け替え、おすすめです。
〜〜〜追記〜〜〜
半年経ってうちの次女もトコトコ歩く歳になり、このミニランドセルを背負ってお姉ちゃんについていくようになりましたが・・可愛いです。そしてこの姿、びっくりするほど人気があります。これをつけて出歩くと、ほぼ必ず「赤ちゃんがランドセルしょってる!」と老若男女に声をかけられます。おそらくランドセルというのは日本人にとって、入学をひかえた小さな子どもたちの夢と期待の象徴なのでしょう。他のバッグとは比較にならないほど、道ゆく人の温かなまなざしと微笑みを引き出します。
さらに、歩き始めの頃は実用面でも役に立ちました。歩き始めはよく転びますし、後ろに転倒してその勢いで頭を打つこともよくありますが、これを背負わせておくと頭を守ることができます。本物のランドセルとちがって中身が空では潰れてしまうので、クッションとして小さなぬいぐるみなどを入れておきましたが、そのぬいぐるみのおなかに鈴が入っていたので、歩くとリンリンと鳴ってさらに可愛かったです。
とにかくミニランドセルを手に入れたら、赤ちゃんに背負わせない手はありません。近所の人気者になれますよ。とても簡単な作りなので、手作りしてもよいですね。