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くるくる回る手袋バレリーナ人形

手袋バレリーナ人形 おもちゃ

時間をかけて丁寧に作り上げたおもちゃより、その場しのぎで作ったおもちゃの方がすっかり気に入られてしまうことってあるもので、このクマちゃんバレリーナもそうでした。材料費は堂々ゼロ!なぜなら、ボロ手袋とボロ靴下でできているからです。こんなに気に入って大事にしてくれるなら、せめて中の詰め物くらい薄汚れた靴下ではなく綿を使ったのに・・

  • 製作費用:0円
  • 所要時間:3時間

当初はただのマスコットでしたが、少し工夫してくるくる回るようにしました。とても簡単にできます。

実現しなかった人形劇

これを作ったのは、長女と幼稚園の親子遠足から帰ってきた午後のことでした。5月というのにうだるような暑さで、昼過ぎにヒイヒイ言いながら帰宅し、さて何して過ごそうかとなった時、人形劇をやりたいと娘が言い出しました。図書館でこんな本を借りてきていたからです。

しゃもじ、スカーフ、じゃがいもなど、そこら辺にあるものを使って、いかに楽しい人形劇を手作りできるか、温かみのあるイラストで図解しています。日本の感覚とは別種のワイルドさというか、素朴な味があって素敵です。もっとも、じゃがいもでできた人形など作って、気に入られておもちゃ箱に永久保存されては困るのですが、娘が選んだのは「3匹のクマ」でした。タイツに詰め物をしてクマの形に整え、背中につけた針金を動かしながら人形劇を上演するというものです。

「3匹つくりたいの?」
「そう。父さんグマと母さんグマと子グマ」

と言われた時には、1体で済む別の人形にさせようかと一瞬迷いましたが、まあまずは1匹こしらえてみようと、タイツの代わりに使い古した手袋を探し出してチクチク縫い始めたわけでした。幸いなことに1匹できあがったらその子に夢中になって、「3匹のクマ」上演の話は流れたので、作るのは1匹だけで済みました。

手袋からマスコットを作る

そもそもが可愛いマスコットを作るというより、タイツの代わりになるズダ袋を作るつもりで縫い始めたので、かなりいい加減です。手袋の指の部分を切り落とし、そのうちの2本に詰め物をしてクマの腕にします。あとは指を切り落としたあとの手袋の甲の部分が袋状になるように、適当な位置に2本の腕をはさんでぐるりと縫い合わせただけです。

手袋バレリーナ人形 - 製作手順

中に古靴下を詰めてからおしり部分(手袋の手首部分)をコの字縫いで縫い合わせ、首になる部分をリボンでぎゅっと絞って顔と胴体に分けました。耳はたしか顔の適当な位置に数回針を入れて糸をしぼっただけです。これだけではさすがに顔が扁平すぎたので、余った手袋の指先を縫い付けて「鼻づら」にしました。

手袋バレリーナ人形 - 顔

目は、手持ちのビーズの中から娘が選びました。慣れとは恐ろしいもので、今ではこのピンクのビーズの目もそれなりに可愛く見えるのですが、作った当初は「宇宙人みたい・・」と思ったものです。それで後日わざわざ百円ショップの手芸コーナーで「ぬいぐるみ用の目」を買ってきて「付け替えてあげようか」と提案したのですが、娘は「このままにして!このピンクの目がいいの!」と拒みました。まあ、そこまで気に入ってくれているなら・・

チュチュを着せてバレリーナに

せっかくなので、翌日スカートも縫って着せてやりました。小さな布切れを並縫いしてぎゅっと絞り、布端をレースでくるんだだけです。これがまた娘に大好評で、「チュチュだ。この子はバレリーナなんだ」という設定になりました。森に住む3匹のクマだったはずが、だいぶ変身しました。

手袋バレリーナ人形 - チュチュ

ちなみにスカートに使った布は、おもちゃの太鼓をつくる時に使ったヘアーターバンの残りです。太鼓に被せたとき少し長かったので片方の端を切り落とした、そのわずかな切れ端が役に立ちました。

くるくる回るための台座にはめる

バレリーナに変じたクマ公、その後長らく娘に愛され、寝るときも布団にお供するほどでしたが(つくづくボロ靴下を詰めたことを後悔しました)、実はバレリーナのくせに安定性が悪いという欠陥がありました。靴下の塊を無造作に突っ込んで縫い閉じたので、おしりがゴツゴツしていてうまく立たないのです。それに、ポッテリと重いおしりを見ていると、何かもう一工夫してコマみたいに遊べないかなあという気がしたので、こんなものをはめてみました。

手袋バレリーナ人形 - 台座に使ったたまご型ケース

夏祭りの屋台で景品が入っていたたまご型のプラスチックケースです。この下半分にクマのおしりをはめてやると、うまいこと立つようになりました。さらに、コマほど高速回転というわけにはいきませんが、少しくるくると回して遊べるようになりました。

手袋バレリーナ人形 - 台座にはめた様子

しかし、勢いよく回すとたいてい倒れてしまいます。そこでもう一工夫と思って、プラスチックケースの底にネジの通る穴を開け、咳止めドロップスの缶の底にネジを貼り付けて、そこにケースをはめてみました。でもこれはあまりうまくいきませんでした。

手袋バレリーナ人形 - 倒れずに回るための台座試作

ねじの付け根の上にケースを乗せている状態になるので、ガタガタしてしまうのです。これなら、つるつるしたケースの底全体が床に接していた方が滑らかに回るので、「どんなに回しても倒れないバレリーナ」は諦めて、「少しだけくるりと回れるバレリーナ」で満足することにしました。

総合評価:出来栄えとオススメ度

子ども受け: 
耐久性  : 
見栄え  : 

一応総合評価してみましたが、どうしてこの作品が、こんなにうちの子に気に入られたのかは謎です。でもひとたび気に入れば、材料がボロ手袋であれボロ靴下であれ、見た目がクマであれエイリアンであれ、子どもは気にしません。また手抜きであればあるほど、下手であればあるほど、型紙どおりに作ったものより、良く言えば「味のある」作品になります。こういうのもたまには悪くないと思います。うちでは実現しませんでしたが、いくつか作って人形劇をするのも楽しそうですね。ただ、どんなに片手間につくる場合でも、履き古した靴下を詰めるのはやめましょう。その後末ながく、頰ずりされキスされ布団に持ち込まれるかもしれないのですから・・このとき以来の教訓です。

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