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「そらいろのいえ」を手作りする

そらいろのいえ その他

絵本「そらいろのたね」をご存知でしょうか。ゆうじがそらいろの種を庭に埋めると、そらいろの家が生えてきて、どんどん大きくなり・・むしろ知らない人の方が少ないほど、ぐりとぐらにならぶ国民的な絵本と言ってよいのではないかと思います。では、実際にそらいろの種を植えて、そらいろの家が生えてきた方いますか?はい、うちは生えました。

  • 製作費用:540円
  • 所要時間:1日

きっかけは、数年前に娘とプランターに植えたミニひまわりでした。その種が、見事にそらいろだったのです。あとで調べたところによると、これは殺菌処理した種の誤飲誤食を防ぐための着色のようですね。知らずに袋をあけて鮮やかなスカイブルーの種を目にしたときは、「そらいろのたねだ!」と娘と大いに盛り上がりました。娘はわざわざ小さな木の板に「そらいろのたね」と書いた看板を作ってプランターに挿しました。

そらいろのいえ - ミニひまわりの種

さて、そのそらいろの種から無事にひまわりが育って花を咲かせれば話はそれで終わったのかもしれませんが、このミニひまわり、実は本葉が出るか出ないかのうちに枯れ始めてしまいました。今考えると、これこそ「立ち枯れ病」だったのかもしれません。とにかく、水のやり過ぎにもやり忘れにも気をつけ、思い当たる原因もなかったのに、だんだん元気がなくなって黄色くしおれ、とうとう全滅してしまいました。子どもと植物や動物を育てていて、枯らせてしまう死なせてしまうというのは、親にとって非常に焦る瞬間です。その時はまだ袋に半分種が残っていたので、「もう一度植えたらうまくいくかもしれない。やってみようね」と慰めてひとまず残りの半分を植えましたが、内心うまくいかない予感がして頭を抱えました。

そのとき娘の書いた「そらいろのたね」の看板を見て、思いついたことがありました。マッチ箱程度の大きさの空き箱に厚紙で三角屋根をつけてそらいろに塗り、プランターの中にちょこんと置いておいたのです。二度目に植えたひまわりの種が芽を出し、ぼちぼち育ち始めていた頃でした。いつも通りひまわりに水をやろうとして外に出た娘についていって、「あれ?そらいろのおうちが生えているよ」と言ったときの娘の顔は忘れられません。ものも言わずにしげしげとそらいろの物体を見つめ、そっと持ち上げてみて、あっけなく持ち上がってしまったのを慌てて土の上に戻した様子は見ものでした。とにかくその日から娘の注意はそらいろの家に集中し、ひょっとして育つんじゃないかという期待に満ちた観察が続きました。

そらいろのいえ - 壁と屋根の作成

ひまわりの苗を枯れないようにするのは、園芸に不慣れなママには難しいですが、そらいろの家をひと回り大きくしてやることはできます。最初からそのつもりで、そらいろのいえ第一号は防水性をあまり考えず簡易的に作ったので、急いで第二号に建て替える必要がありました。使ったのは、セリアの木製ミニ額縁です。ちょうど程よい大きさの正方形だったので、これを4つ買ってきて壁にしました。屋根には、別の目的で買って余っていたコルクシートを使いました。本当はベニヤ板でも使いたかったところですが、なにせ娘が幼稚園に行っている間にささっと作る必要があったので、のこぎりを持ち出している暇もありません。コルクシートを三角にカットして、竹ヒゴを支えとして四角錐の形に接着し、全体をそらいろに塗りました。そしてある日そらいろのいえ第一号とすげ替えて・・翌日の娘の顔もまたまた見ものでした。その頃には、二度目に生えたひまわりの苗もやはり枯れる気配を見せはじめていましたが、誰もあまり気にしませんでした。

そらいろのいえ - プランターに生えた様子

ちゃんと、ひよこも住みに来ましたよ。娘が一番喜んだのはこのひよこです。すっかり気に入って家の中に連れ込み、ママとしてはそこまでのつもりではなかったのですが、完全におもちゃ棚のレギュラーメンバーになりおおせました。そして娘の興味はひまわりからそらいろの家へ、そしてこのひよこへとうまく遷移してくれたので、ひまわりは枯れ果て、そらいろの家はそれ以上成長しませんでしたが、失望ではなく興奮と満足のうちに初夏の小さなファンタジーが終わったのです。

ちなみに着色には、中古ままごとキッチンをリメイクした時と同様、PROSTファインペイントシリコンという水性塗料を使いましたが、この塗料は非常に質がよいんだと思います。そらいろの家はその後半年ほどプランターで雨ざらしになっていましたが、少しも腐ったりカビたりしなかったからです。そして処分するのも惜しくて、きれいに拭いてしまっておいたのを、この前ちょっと棚において懐かしく眺めていたら、もう小学生になる娘がしみじみと真顔でこう言いました。「このそらいろのおうちさあ、植えっぱなしにしてもっとお水あげたら、もっと大きくなったんじゃないかなあ」・・・えぇっ!まだそんなに心から信じてくれてた?!

けれど普段ませたことばかり言う娘の、あまりにピュアなこの発言を聞いて、ママはあらためて考え込んでしまいました。たしかに、このそらいろのいえは、ママがペンキを塗って作ったニセモノである。けれど、信じる心とこまめな水やりで、ひと回りふた回り大きく成長しないなんて、誰に断言できるでしょう。ゆうじがきつねにもらったそらいろの種だって、人工着色されたただのひまわりの種だったかもしれませんしね。それが大きなそらいろの豪邸になったのですから、何が起きるかなんてわかりません。なので、この手作りそらいろの家はもうしばらくとっておくことにしました。今0歳の次女が、自分で植物を育てたがる2歳3歳になったら、またそらいろの種を撒かせて、この家を挿し木してみる予定です。ひょっとしたら豚が・・いや豚はたいへんなので猫にしておこう・・猫がやってきて住めるくらいの家に育つかもしれません。そうしたらこのブログでまたご紹介しようと思います。

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